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Q:亡くなった父は生前、アウトドアが好きで、休日になると山登りや海釣りに出かけていました。そんな父の遺骨は、大好きだった山か海に散骨したいと考えています。遺骨は自由に散骨して構わないでしょうか。教えてください。 A:散骨するときは、必ず遺骨を粉末状にしてください。また、自治体によっては散骨を禁止または制限している場所もあります。散骨を行う場所の自治体に連絡して可能かどうかを確認してください。散骨の費用は、遺骨を砕く費用、散骨の場所に行く交通費などの費用がかかります。 ●186-1 散骨と法律・条例 散骨とは、『死者の遺骨を自然に還す』という自然葬として、海や山などにパウダー化した焼骨(遺灰)を撒く葬送の方法です。埋葬を行うときは、「墓地、埋葬等に関する法律」に従わなければなりませんが、散骨はこの法律で禁止されていませんので、法的な手続きや届け出は必要ありません。故人や遺族の意思で、自由に行うことができます。 ただし、自治体によっては、散骨禁止条例、環境保全条例、許可等に関する条例、散骨ガイドラインなどを制定し、散骨を制限しているところもあります。散骨を行う場所の自治体に問い合わせて、散骨が可能かどうかを確認したうえで行ってください。 ●186-2 散骨にあたっての注意点 散骨は違法ではありませんが、散骨を行うときは注意しなければならないことがあります。人骨に対する感情は人により様々です。他人の土地や建物のそばに撒かれたり、遺灰が風に飛ばされて結果として他人の住まいのそばに撒かれたりすると、気分を害する人も出てくるなどトラブルが発生することがあります。遺骨や遺灰に対する人々の感情には十分に配慮する必要があるでしょう。 とくに、海や川での散骨では水産物などへの風評被害が生じることがありますし、山での散骨では農産物への風評被害のおそれがあります。こうしたトラブルが生じないような配慮が必要です。 ●186-3 散骨の費用 散骨を行うときは、遺骨を必ず粉末状にしなければなりません。遺骨を砕くのは通常は専門の事業者に依頼します。遺骨の粉砕だけなら3万円程度、事業者に遺骨を預けて散骨を委託する場合は5〜10万円程度、船をチャーターして散骨を行う場合は、30〜50万円程度の費用がかかります。 ●186-4 散骨と手元供養 遺骨のすべてを散骨してしまうと、故人を示すものがなくなって、後から供養ができなくなり後悔することもあります。散骨する際には、遺骨を分骨して手元供養したり、位牌や遺影などを仏壇等に安置することをおすすめします。 散骨を取り扱う事業者によっては、散骨のシーンを写真撮影するなどして記録を残すことがあります。もちろん、自分自身で撮影しても構いません。それらの画像データを保存しておくこともおすすめします。 |