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●52-1 エンバーミングとは? 人は亡くなった直後から、感染症の原因となる病原菌やウイルスの発生などで腐敗が進んでしまうため、早期のうちに処理を行わなければなりません。また、葬儀にあたり、生前の安らかな表情を取戻し、葬礼者との最後のお別れの思い出を残せるような修復や化粧が必要になります。 一方、昨今の葬儀事情により、火葬・埋葬までの日程が長くならざるを得ないケースでは、葬儀業者の遺体安置施設での期間が長くなる場合も少なくありません。そうしたときでも、故人の状態をできるだけ生前に近い状態で維持し続ける処置を行うことをエンバーミングといいます。 ●52-2 エンバーミングの手順 エンバーミングでは、故人を自然な表情に修復し、生前の面影を取り戻します。消毒、減菌処理を施すことで、万一、感染症や伝染病に罹った場合でも処置後は公衆衛生上安全になります。 具体的には、血液系を利用して血液と防腐剤を完全に入れ替え、全身を灌流固定します。エンバーマーと呼ばれる専門の技術者や医学資格を有した医療従事者が、化学的・外科学的に処置を施します。例えば、次の手順で行われます。 (1)全身の消毒処理、洗浄。 (2)表情を整え、髭を剃る。 (3)少切開を行い、動脈より体内に防腐剤を注入。同時に静脈より血液を排出。 (4)腹部から残った体液や消化器官内の残存物を吸引し除去。 (5)切開部位を縫合し損傷箇所は修復。 (6)再度全身・毛髪を洗浄。 (7)着衣ののち納棺。 エンバーミングを施すと、注入される薬剤の濃度や量により異なりますが、数日から2週間程度までは常温での保管が可能となります。徹底した処理とメンテナンスによっては、生前の姿のままで長期間の保管が可能となります。 |